最近では「体幹」または「体幹トレーニング」という言葉を耳にすることが多くなってきました。そもそも体幹とは、簡単に言うと、頭部、四肢を除いた胴体部分を指すのですが、この体幹部分がしっかりしていないと、スポーツを行う上で不具合が多くなってしまします。例えば、コマをイメージして、芯の部分が柔らかいゴムのような素材だった場合、うまく回らないことは容易に想像がつくと思います。人間においても同じことが言えます。体幹がしっかりしていないと、体をうまく操作できなかったり、怪我につながることも多くなってきます。
このことは、私自身知識として知っていたのですが、実際子ども達を指導していく中で、「体幹の安定」の重要性を改めて強く感じました。体幹が安定していない状態で、いくらスポーツの「技術」を指導してもなかなか上達しません。いわゆる「運動神経の良い子」は「体幹」もしっかりしている傾向にあります。
それでは、どうやって体幹を鍛えればよいのか。本来、子どもはあえて筋トレということをせずとも様々な外遊びの中で自然に体幹をトレーニングしてきました。
簡単に言うと、外で色々な遊びをすればするほど体幹はしっかりしてきます。逆を言えば「あまり外で遊ばない」→「体幹が安定しない」→「運動がうまく出来ない」→「さらに外で遊ばなくなる」という無限ループ構図が出来上がってしまいます。
ここで「もっと外で遊びましょう」と言うだけなら、今までも何回も聞いてきたことでしょうし、現在の環境ではそれが難しくなってきているのでそう簡単にはいかないでしょう。また、子どもに負荷をかけた筋トレをさせるのも子どもにとっては面白くないばかりか、やり方を間違えると成長に悪影響を及ぼしかねません。
そこで私が提唱したい子どもの「体幹トレーニング」は……..。
「くすぐる(こちょばす)」です!
ふざけているように感じるかもしれませんが、これがなかなかバカに出来ません。肋骨あたりをくすぐられると、大人も子どももどうしても笑ってしまう。本気で笑うとお腹に力が入って、体をよじって逃れようとします。この力の入れ方と動きが、まさに体幹トレーニングになるのです。また親とのスキンシップもとれるので一石二鳥です。ただし、酸欠になってしまうほどはやらないでください(笑)
もちろん「くすぐる」事さえしていれば良いということではありません。子どもにとって「遊ぶ」ことは「成長する」ことと同義です。遊びは「外遊び」だけがすべてではありませんが「不活動の無限ループ」にはまりかけている子どもに対しては、「くすぐる」ことで体幹安定の一助とし、外遊びにつながるように環境を整えてあげるとよいのではないでしょうか。