あけましておめでとうございます。2018年が始まりました。歳をとればとるほど一年がはやく感じるものですが、子どもも大人も一年のテーマや目標をもって日々を暮らしたいものですね。さて、今回のコラムはスポーツチームに関して書きたいと思います。
子どもに競技スポーツを習わせる場合、戦績でチームを選ぶこともあるかと思います。特にスポーツに対して熱心な保護者ほどチームの強さは選ぶ基準の一つになっているかもしれません。しかし、強いチームと、子どもを成長させてくれる場所というのは必ずしも一致するとは言えないのです。
スポーツチームでは、「勝つ」という事を前提に指導者が子どもを指導していることが多いと思います。サッカーや野球の場合、各ポジションにいる選手(子ども)に対してプレーの決め事を作って動きを限定し、その通りに動ける選手だけを起用すれば、ある程度は試合に勝てるようになります。
チームが強ければ子どもが集まる。そしてセンスの良い子どもたちだけを集めてプログラミングされたロボットのように動かし、試合に出させ、戦績を残す。そうすればまた子どもが集まってくる。というように、強いチームだと子どもが集まる傾向があるので、「勝つ」という事に躍起になっている運営者、また指導者や保護者も多いことでしょう。
子どもがスポーツをする本当の目的は、スポーツを介して人生に必要な事を学び、自らを高めたり、自分で考える力を養うという事にありますが、監督やコーチから言われたことだけをして試合に勝ったとしても、子どもの成長に良い影響を与えるとは限りません。また「勝つ」ことだけを意識した指導を受けていると、極端な事を言うと「勝つためなら何をしても良い」ということにつながりかねないのです。
もちろん「勝つ」ことがダメだと言っているわけではないのですが、スポーツにおいては「勝つ」人がいれば、必ず「負ける」人がいるという事、そして負けた時にこそ成長するチャンスがあること、子ども自らが考えて行動できるように指導者は導いてあげなければいけないと思います。
子どもにすべてを「自分で考えて動け」と言っても無理かもしれません。ある程度は周りの大人(親やコーチ)が教えることも必要です。しかしあまりにも指導者が教えすぎたり、大人が干渉しすぎた場合には子どもが自分で考えることをやめてしまう事があります。周りの大人は、子どもの成長の手助けをするサポーターのようなものであり、決して子どもを駒のように動かす支配者ではないのです。
指導者がスポーツ技術だけでなく、子どもの成長を本当に考えられているかという事も、スポーツチームを選ぶ基準の一つにいれみてはいかがでしょうか。