仕事をすること

 先月28日にARPS大運動会を開催いたしました。子ども達の笑顔や悔しがるその姿は、彼らの心の成長の栄養になったような気がします。これからも子ども達に良い影響を与えられるような教室でいたいと強く思いました。

 私が子の親になってから、一貫して考え続けていることがあります。それは、「子どもが幸せに生きるにはどうすればいいか」です。今回はこのテーマに沿って、「仕事をすること」ついて私の考えを少々述べたいと思います。

 まず「仕事をする」という言葉を聞くと「お金を稼ぐこと」とイメージされる方も多いと思います。生活するにはある程度のお金は必要です。お金に余裕があれば物欲は満たされることでしょう。しかしお金があれば必ず幸せになれるのでしょうか。「お金を得る」という事だけにフォーカスしてしまうと、極端な話、悪いことをしてお金を稼いでも問題がないことになってしまいます。
 すべての仕事は誰かの役に立つことと言い換えることができます。この「自分が誰かの役に立っている」という感覚が少ないと、やりがいを感じることができなかったり、お金を稼ぐ為だけに無理して仕事をすることになり、人生を損した気分になるでしょう。逆に人から必要とされていれば、お金は二の次だという人も多いことは確かです。

 内田樹の著書『「おじさん」的思考』の中で〝「他者からの敬意」なしに人間は愉快に生きることができないというのは社会生活の原則である″と著者は述べています。つまり、「よい仕事」とは「高い給料をもらう」というだけでなく、人に喜んでもらう事に加え、他人からの尊敬を受けられるようなものの方が、生きている「幸福度」は強くなるのではないでしょうか。

 例えば、勉強をしない子に「いい学校に入れない」「自分の為にならない」という言葉がけは、「自分の事のみ」に矛先が向いています。大人がそういった言葉がけを続けると、子どもは自分本位の考え方が当たり前になってしまうかもしれません。

 子ども達が、学校や習い事に通うのは、生きていく上で数多く訪れる壁を、どう乗り越えていくかという能力を養う為です。すべての経験は生きる為の引き出しの数を増やすためであり、そしてそのインプットした学びを「人に喜んでもらう為」というモチベーションに変換し、アウトプットできるような教育や言葉がけを受けることで、周りはもちろんの事、自分自身も笑顔で生きていけるような大人になるのではないでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です