日々の生活の中では、跳び上がって喜ぶほど嬉しいことや、受け入れられないほどショックなことまで様々な事が起きます。起きた出来事に対しての捉え方は個々で随分変わってくると思いますが、今回は「ポジティブとネガティブな考え方」について書きたいと思います。
まずポジティブ、ネガティブとはどのようなことでしょうか。一般的に「ポジティブ」=「肯定的、積極的、楽観的」という前向きイメージ、「ネガティブ」=「否定的、消極的、悲観的」といった後ろ向きイメージを持っているのではないでしょうか。
また「ポジティブなほうが良い」と思っている人も多いと思います。確かに、人と一緒にいて否定的な話をずっと聞いていると疲れてしまいますが、積極的で肯定的な人がそばにいると、元気をもらえたり、明るくなれることも多いことから、「ポジティブ」=善、「ネガティブ」=悪というようなイメージがあるのかもしれません。
しかし、「ポジティブ」と「ネガティブ」はコインの裏と表のような関係で、どちらの方が良いというものではなく、大きな偏りがなく二つのバランスが取れているということが大切だと私は思います。
例えば、登山家が誰も登ったことがないほどの過酷な山にチャレンジするとします。極端に言うとネガティブで消極的過ぎる人は登山自体をやめてしまいますが、ポジティブで楽観的過ぎる人は山で命を落とすでしょう。
このようにどちらかに偏っていては、大きなことは成し遂げられません。さらに状況によって使い分けることも必要です。
登山の例を続けるなら、トレーニングや準備は悲観的なほど入念にし、未来に対するイメージはポジティブに持ち「絶対に登頂できる」と山に挑みます。そして山に登り始め、予測不可能な悪天候で登山を断念したのであれば、「生きていればチャレンジは何回もできる」と考え、仮に絶好のコンディションで登頂できたのであれば、「たまたま運がよく、実力以上の結果だったのかもしれない」と思い次の目標に対して入念な準備をする。
ポジティブ、ネガティブといっても、生まれ持っての性格的なものと、その場の心理状態は違います。つまりポジティブやネガティブに「なりやすい人」と「なっている状態」とは違うのです。性格的なものは変えることは難しいかもしれませんが、出来事に対してどう感じるかは環境と経験で変わります。
したがって、良い出来事、悪い出来事が起きた時の周りの反応で、子どもの捉え方は変わってくるでしょう。性格的にどちらか一方の傾向が強い場合、ネガティブ思考で心が壊れてしまうことや、ポジティブ思考によって大切なことを見落としてしまうことのないように気をつけなければなりません。
【状況の捉え方をまとめると、、、】
・ネガティブ(慎重すぎるほどに)に準備をして、予測できない未来に対してはポジティブに行動する
・良くない結果にはポジティブに捉え、良い結果にはネガティブに考え次につなげる
・自分の力が及ぶところではネガティブに捉え、
自分の力ではどうしようもないことはポジティブに考える
変えられない過去を未来にどうつなげるか、これから来る未来を明るく迎えるために、心を整えられるようになりたいものです。