スポーツは『動きの無駄をそぎ落とす』ことが上達することと言えます。一方、遊びには『スキル』や『上達』という概念が少ない為に、遊びの中で身体操作の引き出しを増やすことができます。したがって運動神経を伸ばすためには、如何に体を動かして無駄を経験するかと言い換えることができるかもしれません。
幼いころからスポーツのスキルを磨くことは、同年代の子どもと比べれば、技術も高くなり最短距離で進んでいるように見えますが、身体操作の引き出しが少ないために、いずれ頭打ちになってしまう可能性があるのです。
もちろん「小さい時はスポーツをやってはダメ」ということではないのですが、遊びとスポーツのバランスを考えることはとても重要になのです。
これは運動やスポーツだけでなく、子ども達の人生においても言えることなのではないかと思っています。「子どもに苦労をさせたくない」というのは親心としてあると思いますが、親が経験&考える『最短距離』を歩ませることは、子どもの応用能力、つまり生きる力を育む機会を摘むことになるかもしれません。
最短距離を進むことしかやってこなければ、うまくいくかどうか分からないことに労力を注ぐのは『無駄』という考え方になり、『無駄』な道を通ることは悪い事という認識になってしまう恐れがあります。
『チャレンジ』の意味は「成功するかわからないことに挑戦する」ということなので、成功ばかりを追い求めるとチャレンジする心を失ってしまうでしょう。
やってみて成功しなかったとして、それを「報われなかった」「労力の無駄」と捉えてしまうと次への行動の阻害にもなり何も残りません。やってきた努力に対して何を得られたかという事に目を向ける方が建設的で次につながるはずです。
成功するなんて誰もわかりません。「夢は必ず叶う」なんてことも言えません。可能性を感じ、辿り着けないかもしれない『わずかな光』に向かってどれだけトライ&エラーができるかの能力を得る事が人生を豊かにする一つの手段なのではないでしょうか。
人生に無駄なんてありません。無駄を恐れず行動しましょう。