先日、うちの近所にあるビジョントレーニングの教室に行ってきました。以前、私自身もチェックに伺ったことがあるのですが、今回は娘を診てもらうために行き、そこで先生のお話や書籍などから得たことを少し紹介したいと思います。
娘の右目は内斜視で、以前病院で診てもらったことがあるのですが、片目ずつの視力がちゃんと出ているので病院の先生からは「見た目だけの問題なので、気になるようだったら手術をしてください」と言われたことがありました。しかし私自身は「動くものを両目でしっかりとらえたり、距離感がうまくつかめているかを知りたいのに…」と全く納得がいかずにいました。
ビジョントレーニングの先生のお話を聞くと、学校などで行う視力検査では当然のことながら、「動くものを見る力」はわからないとのことで、そういう検査やトレーニングを専門にしているのは、オプトメトリストと呼ばれる人たちで、アメリカでは国家資格にもなっています。
ついでに娘のチェックの結果から言うと、片目ずつの視力はしっかりしているが、両目を開けて見た時にあまり内斜視の右目は使えていないようで、両目で協調してものを見る力が弱いようでした。私が運動の面で思っていたことと一緒だったので、「やっぱりね」となりましたが・・・。
スポーツの世界では「ビジョントレーニング」という言葉は浸透してきているように思いますが、まだまだ一般的なものではないでしょう。いくら視力検査で視力が良くても、ちゃんと見えていないこともあるようで、両目をしっかり使えていないと、運動ばかりでなく、勉強にも影響が出る可能性があるのです。
例えば、文を読んでいる箇所を飛ばしたり、見失ったり、同じ個所を読んでしまったりするのは目がちゃんと使えていない可能性があるようです。もちろんすべてではありませんが、「勉強が苦手」「運動神経が悪い」と思っていても、その原因が「眼」にあるかもしれない事を覚えておかなくてはなりません。
スポーツにおいては目の使い方はかなり重要だといえるでしょう。例えば野球なら、向かってくるボールを見る「動体視力」、ボールをキャッチしてから一塁に投げる時に瞬時に一塁にピントを合わせる「焦点調整力」、さらにはボールを投げようとしながら走者を見る「周辺視野能力」などです。
特に球技などは目の影響が大きいように感じます。コーディネーション能力でいうところの定位能力(物と物体の距離を測る力)に関係するでしょう。
一つ驚いたのは、書籍の中で『見る力を優秀にするには、レーダーから入る情報の入力回路を増やすこと。回路が多ければ多いほど、脳での処理にかかる時間が短縮できるからです。ビジョントレーニングは、この情報の入力回路を増やすトレーニングなのです』とありました。
これは、運動神経を向上させる為のトレーニングとほとんど同じ考えです。つまり、「眼」も「運動」も脳で密接にかかわっているんだと強く感じました。
もし、「おやっ」と思ったら一度「眼」を見てもらうのも良いかもしれませんね。
引用参考文献
内藤貴雄(2003)『潜在能力を開発する眼』 エコー出版
内藤貴雄(2007)『子どもがぐんぐん伸びる目のトレーニングBOOK』 主婦と生活者