ARPSはおかげさまで6周年を迎えることができました。これからも子ども達が、「運動が好きだ」「体を動かすのは楽しい」と思えることを通して、生きる力を育むことにスタッフ一同尽力していきたいと思います。
私は「楽しい、好きと思えることが一番大切だ」という事をよく言います。しかし勘違いしてはいけないのが「楽しい」ということと「楽だ」いうことは全く違います。
私は言わずもがなスポーツが大好きです。例えば、今テニスがマイブームなのですが、サーブで500~1000球を一人で打ち続ける練習をすることがあります。それだけやっても、すぐには自分が思っているようにいかず、体のあちこちが痛くなり、フラストレーションも溜まり気持ちが折れそうになることもあります。明らかにこれは「楽」な事ではありません。しかしその苦しい練習で一つひとつ改善していくとその先に上達した自分をイメージすることができるので、いくら苦しくても「楽しい」と感じられるのです。
幸い私は好きな事を仕事にしています。スポーツも子ども達に教えることもたまらなく楽しい。しかしこの5年間で辛いことや悩むことも数えきれないほどありました。そしてこれからもあるでしょう。いくら楽しいことでも突き詰めていくと必ず苦しいことは出てきます。この「苦しい壁」に当たったときに乗り越えられる力こそが、「本当に好き」だということではないでしょうか。
やりたいことがない、好きは好きだが仕事にするほどではないという人もいます。しかし人生をかけてもいいほどの「好き」なことなどそうそう簡単に見つかるものではありません。それを見つけるには数多くの経験を重ねることが大切だと思います。10より100の経験をした人のほうが好きなものを見つけられる可能性は広がります。わずかなモノの中から選んでしまうと、「本当に好きな事がわからない」となってしまう可能性はやはり高いです。
「本当に好きなもの」の種になる経験は、親が「子どもの将来の為だ」と思って通わせている習い事だけでなく、もしかしたら音楽ライブや、家族で行ったキャンプ、飼っているペットにも転がっているかもしれません。子どもが興味を示したときに、「めんどくさい」とか「あまりやってほしくない」という理由で親がその好奇心の芽をつぶしてはいないでしょうか。道徳上の善悪は別にして、何が正解で不正解かなんて誰にもわかりません。無駄なことなんてないのです。
そして子どもに限らず、大人も興味を持ったらまず「やってみる」、「チャレンジしてみる」を実行に移してみてください。その背中を見て子どもは育つでしょう。毎日同じルーティンで普通の生活をしているだけでは好奇心のアンテナは刺激されません。何事にもチャレンジしやすいこの秋に、子どもと手をつなぎ、玄関の扉を開けて「本当に好き」を見つけに一歩外へ踏み出してみてはいかがでしょうか。