11月は『わくわく公園大冒険』『ヨアンのパルクール体験』とイベントが目白押しでした。参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。
『パルクール体験』では、世界チャンピョンのヨアンから「自分を知り、限界の壁を超える。そしてその力を他人を助ける為に使う」というパルクールの哲学にも触れることができましたが、彼の考えは私がARPSで伝えたい事とリンクする部分も多く、これからも子ども達の為に何ができるかを考え、楽しい企画をしていきたいと思います。
さて、今回はアンジェラ・ダックワースの著書『GRIT~やり抜く力』という本から、指導者としても、親としても心に留めておきたい事を抜粋しながら書きたいと思います。
1.「好き」にならないと努力できない
自分が本当に面白いと思っていることでなければ、辛抱強く努力をつつけることはできません。しかしただ好きだからといって上達できるとは限りません。努力をしない限り上達しないのです。練習に励み、つねに学ぶなど、やるべきことは山ほどあります。だからなおのこと好きでもないことは上手くなれるはずがありません。
2. 最初に厳しくし過ぎると「取り返し」がつかなくなる
心理学者のベンジャミン・ブルームは、「興味のある事を見つけて掘り下げていく段階(初期)で望ましいのは、最初の学びを楽しく、満足感の得られるもの。ほとんどは遊びを通して学ぶ。そしてやさしくて面倒見の良い指導者を得ること」だと言っています。
またスポーツ心理学者のジャン・コティは、初心者のうちにあまり厳しくし過ぎると、せっかく芽生えた興味が台無しになってしまい、一度そうなったら、取り返しがつかないとも言っています。
3. 失敗への「解釈」の違いが粘り強さを生む
キャロル・ドウェックは、失敗に対して大きな「無力感」を感じるのはどんな人かを調査しました。その結果「能力が足りなかったから」と考える人は、大きな壁にぶつかった際に諦めてしまったのに対し、「努力が足りなかったから」と考える人は粘り強く挑戦できたとあります。
4. 子どもの頃の「ほめられ方」が一生を左右する
大人になって成功や失敗をしたとき、その原因を自分の才能に結びつけるか、それとも努力に結びつけるかは、子どものころの「ほめられ方」によって決まる確率が高いといいます。ただ褒めるだけでなく、時には「自分なりに目標をもって、以前は出来なかった事をできるようにすることが大切だよ」と伝える必要があります。
「才能があるね」と褒めるよりも「よく頑張ったね」と褒めてあげたいものです。
この『GRIT~やり抜く力』という本は、スポーツや指導の本ではなく、人生における成功に必要な「やり抜く力」について書かれている本です。この「やり抜く力」を取り入れるには、「人間はなんでもやればうまくなる」「人は成長する」という認識がかかせません。
ARPSの理念は運動を介して子ども達の「生きる力」をつけることです。スポーツや運動で得た成長の機会をうまく導いてあげられるようARPSの指導者一同研鑽していきたいと思います。